世界で最も収益性の高い企業50選
2020年度の世界で最も収益性の高い企業のランキングは次のとおりです。
順位 | 企業名 | フォーチュン・グローバル500での順位 | 当期純利益(単位:100万ドル) | 当期純利益増減率 |
---|---|---|---|---|
1 | Saudi Aramco(サウジアラムコ) | 6 | 88211 | -20.5% |
2 | Berkshire Hathaway(バークシャー・ハサウェイ) | 14 | 81417 | +1924.8% |
3 | Apple(アップル) | 12 | 55256 | -7.2% |
4 | Industrial & Commercial Bank of China(中国工商銀行) | 24 | 45195 | +0.4% |
5 | Microsoft(マイクロソフト) | 47 | 39240 | +136.8% |
6 | China Construction Bank(中国建設銀行) | 30 | 38610 | +0.3% |
7 | JPMorgan Chase & Co.(JPモルガン・チェース) | 38 | 36431 | +12.2% |
8 | Alphabet(アルファベット) | 29 | 34343 | +11.7% |
9 | Agricultural Bank of China(中国農業銀行) | 35 | 30701 | +0.1% |
10 | Bank of America Corp.(バンク・オブ・アメリカ) | 58 | 27430 | -2.5% |
11 | Bank of China(中国銀行) | 43 | 27127 | -0.4% |
12 | Ping An Insurance(中国平安保険) | 21 | 21627 | +33.2% |
13 | Alibaba Group Holding(アリババ・グループ・ホールディング) | 132 | 21450 | +63.8% |
14 | Intel(インテル) | 138 | 21048 | --- |
15 | Wells Fargo(ウェルズ・ファーゴ) | 69 | 19549 | -12.7% |
16 | Citigroup(シティグループ) | 70 | 19401 | +7.5% |
17 | Verizon Communications(ベライゾン・コミュニケーションズ) | 44 | 19265 | +24.1% |
18 | Toyota Motor(トヨタ自動車) | 10 | 19096 | +12.4% |
19 | Gazprom(ガルプロム) | 55 | 18593 | -19.9% |
20 | Facebook(フェイスブック) | 144 | 18485 | -16.4% |
21 | Samsung Electronics(サムスン電子) | 19 | 18453 | -53.7% |
22 | Pfizer(ファイザー) | 215 | 16273 | +45.9% |
23 | Royal Dutch Shell(ロイヤル・ダッチ・シェル) | 5 | 15842 | -32.2% |
24 | Volkswagen(フォルクスワーゲン) | 7 | 15542 | +8.5% |
25 | Johnson & Johnson(ジョンソン・アンド・ジョンソン) | 104 | 15119 | -1.2% |
26 | Walmart(ウォルマート) | 1 | 14881 | +123.1% |
27 | Exxon Mobil(エクソンモービル) | 11 | 14340 | -31.2% |
28 | Fannie Mae(ファニー・メイ) | 53 | 14160 | -11.3% |
29 | AT&T(エイ ティ アンド ティ) | 22 | 13903 | -28.2% |
30 | UnitedHealth Group(ユナイテッド・ヘルス) | 15 | 13839 | +15.5% |
31 | Tencent Holdings(テンセント) | 197 | 13507 | +13.5% |
32 | China Merchants Bank(招商銀行) | 189 | 13443 | +10.4% |
33 | Roche Group(ロシェ・グループ) | 171 | 13430 | +25.1% |
34 | Sberbank(ロシア貯蓄銀行) | 240 | 13060 | -1.6% |
35 | Comcast(コムキャスト) | 63 | 13057 | +11.3% |
36 | Nestlé(ネスレ) | 82 | 12546 | +21% |
37 | China Mobile Communications(中国移動通信) | 65 | 12145 | +3.4% |
38 | Novartis(ノバルティス) | 225 | 11732 | -7% |
39 | Cisco Systems(シスコシステムズ) | 211 | 11621 | +10464.5% |
40 | Amazon.com(アマゾン・ドット・コム) | 9 | 11588 | +15% |
41 | Taiwan Semiconductor Manufacturing(台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング) | 362 | 11452 | -4.9% |
42 | Total(トタル) | 25 | 11267 | -1.6% |
43 | Home Depot(ホーム・デポ) | 59 | 11242 | +1.1% |
44 | Bank of Communications(交通銀行) | 162 | 11186 | +0.5% |
45 | Oracle(オラクル) | 314 | 11083 | +189.8% |
46 | Walt Disney(ウォルト・ディズニー) | 150 | 11054 | -12.3% |
47 | Rosneft(ロスネフチ) | 76 | 10944 | +25.1% |
48 | Petrobras(ペトロブラス) | 120 | 10151 | +41.5% |
49 | Lukoil(ルクオイル) | 57 | 9895 | +0.3% |
50 | Merck(メルク) | 256 | 9843 | +58.2% |
この2020年の世界で最も収益性の高い企業のランキングは、2019年に最も収益が大きかった企業の財務諸表を基にして作成しています。そのため、このランキングには、世界経済にいわゆるコロナ危機をもたらした、新型コロナウィルスの世界的な流行の影響は反映されていません。その影響は2021年9月に本サイトで公開予定の2021年のランキングに反映されることになります。そこでは、収益性の高い企業の構成に抜本的な変化が見られることが予想されます。たとえば、2020年前半の石油・天然ガスの価格の大幅な下落により、石油・ガス産業の利益は大幅に減少するでしょう。それに伴い、2021年のランキングでは石油・ガス企業の数の減少が予想されます。航空業界、旅行業界全般、さらには世界中の中小企業が大きな打撃を受けるでしょう。ただし、これらは通常、世界で最も収益性の高い企業上位50社のランキングにはランクインしない業界ではあります。
今回のランキングの結果は、大きな変化はなく予想の範疇と言えるでしょう。新たにランクインした企業も多くなく、僅かな順位の変動があった程度です。中国企業とアメリカ企業のグローバル市場での覇権争いは今も続いています。アメリカのドナルド・トランプ大統領により引き起こされたアメリカと中国との間の貿易戦争により、中国企業の利益の拡大は停滞気味です。しかし一部の著名なエコノミストが予想する中国経済の急激な減速が起きるのはまだ当分先のようです。
サウジアラビアの巨大ガス会社Saudi Aramco(サウジアラムコ)が2年連続で世界一収益性の高い企業に輝きました。同社は今ではサウジ証券取引所(Tadawul)で公開取引がされている企業です。伝説のアメリカの投資家Warren Buffett(ウォーレン・バフェット)氏が率いるBerkshire Hathaway(バークシャー・ハサウェイ)の飛躍的な純利益の伸びには驚かされました。ただし、この非常に素晴らしい結果は決して奇跡などではなく、Berkshire Hathaway(バークシャー・ハサウェイ)のポートフォリオへの投資による含み益が反映された結果です。ランキングには、ドイツ、日本、韓国 、スイス、ロシアの企業も数社含まれています。従来通り、アメリカのApple(アップル)、Microsoft(マイクロソフト)、Alphabet(アルファベット)(Google(グーグル)の親会社)、Facebook(フェイスブック)などのIT大手や、アメリカのオンラインショップの最大手であるAmazon.com(アマゾン・ドット・コム)などは前年比の利益を大きく伸ばしています。
Tesla(テスラ)は何故このランキングにランクインしていないのでしょうか?理由は簡単です。テスラでは毎年継続的に損失を生み出しているのです。しかし、創設者のElon Musk(イーロン・マスク)氏は電気自動車や太陽エネルギー、宇宙旅行、火星への移住などの構想を広めることで私たちの社会をよりよくすることに成功していると言えるでしょう。そのため、多くの個人の投資家はマスク氏に心酔し、Tesla(テスラ)社の株を買うため、その価格は信じられないほど高額になっています。中にはそれを見込んで大きな富を手に入れることに成功した人もいます。
引用者: Fortune
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著者について
セルゲイ・カルペンコ(Sergey Karpenko)は、Asian-links.comの共同創設者であり、長年アジアに拠点を置くバリュー投資家です。
セルゲイは、21世紀の世界経済における原動力となったのはアジアであると信じ、すべての複雑さにもかかわらず、この活気に満ちたアジア地域の爆発的成長に投資することで資本を増やすための大きなチャンスがあると考えています。
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